【はじめに】

飲食品は酸化細菌繁殖により腐敗します。

また、空気中の気体の飲食品への溶け込みにより、構成成分が変わり風味や色に変化が生じます。

  • 飲食品の酸化や付着した細菌の繁殖は、酸素量や温度の上昇によって加速します
  • 飲食品の種類にもよりますが、室温では1日で酸化し、付着した細菌は何万個に繁殖します。
  • 細菌
    • 抜栓したコルクはボトルに戻さないことをお勧めします。コルクの材質や滅菌法も変化し、現在では熱処理が多いため、コルクの中心部で細菌が生きていることが多いからです。抜栓してコルクが空気(酸素)に触れると細菌が急速に繁殖するリスクがあります。
    • 清潔な室内に置かれた開栓ボトルですら、わずか10分で5~15個の落下細菌が混入します。お弁当等、調理品も蓋をしていなければ短時間に何百という落下菌が混入します。
    • 短い時間でも飲食品には栓や蓋をすることをお勧めします。
  • 酸化/ 風味変化/ 変色
    • 飲食品が空気と接触している場合、空気中の飲食品に溶けやすい成分(二酸化炭素、アルゴン、酸素)の溶け込みにより、変質(風味変化、酸化、変色)が生じます。
  • 飲食品を酸化や細菌繁殖から守るためには、できる限り酸素・細菌・光の接触を減らし、細菌の繁殖を抑える低温(7℃未満)で保存する事が重要です。

 

【空気中の主なガスの特徴】

 

飲食品のいくつかの保存方法

【真空包装・保存】

空気成分を除去して飲食品を包装することにより、空気成分の溶け込みによる変質(風味変化、酸化、変色)を抑制します。以前は食品の包装に不可欠な方法でしたが、近年では大規模製造施設ではガス置換包装が増加しています。

  • 空気を減らし、空気中成分の溶け込みによる変質を抑制します。
  • また酸素を好むカビを含む好気性菌の繁殖は抑制します
  • ただし、酸素を必要としない嫌気性菌(食中毒菌の多く)の繁殖は抑制できません。
  • 一般に市販されているバキューム用具・装置では真空は困難なため、“真空”ではなく“空気が少ない状態”が適切かもしれません。用具や装置の性能や容器の素材や密閉性にもよりますが、一般的には10~40%の空気が残りますので、残った空気成分やまた容器を透過した気体や水分の溶け込みにより多少の変質は生じます。
  • プラスチック系の袋や容器は気体や水分を透過するため注意が必要です。

 

【脱酸素剤による保存】

多くの脱酸素剤の成分は鉄・ゼオライト・食塩・活性炭であり、カイロと同じです。鉄が空気中の酸素と化学反応により酸化し、酸素を消費することにより食品の酸化を防ぎます。

  • 鉄が酸化して飽和すると、食品の酸化は抑制できませんので保存する食品量と脱酸素剤の量のバランスには注意が必要です。
  • 開封すると新たな空気と接触するため、酸素吸収量に応じた脱酸素剤が必要です。
  • 鉄は酸化の化学反応時に発熱するため(カイロの原理)、急激な温度上昇が生じるため、鉄の酸化を利用した脱酸素剤は熱に弱い食品には不向きです。
  • 活性炭は良くも悪くも香気を吸収します。そのため活性炭入りの脱酸素剤は風味を維持したい食品の保存には不向きです。

 

【ガス置換包装】

飲食品の製造時に空気を不活性ガスで置換して包装することにより、飲食品を長期間新鮮に保つ方法です。

代表的な例としてワインは製造時に窒素ガス置換や窒素と炭酸の混合ガス置換により何十年もの間劣化せずに保たれます。

しかしながら、開栓して空気に触れると1~3日で酸化してしまいます。

先進食品会社では製造した様々な飲食品を酸化やカビを含む細菌から守り、長期間新鮮な状態で流通させるため、目的に応じた不活性ガスで空気を置換して包装するガス置換包装が導入されています。近年ではコンビニエンスストアのお惣菜など調理品の包装や保存にも使用されています。

窒素ガス置換:

比重が低く、固体や液体に浸透しにくい気体のため、風味を維持したいあらゆる飲食品の酸化抑制や、航空機やレース用のタイヤ充填に使用されています。

  • 飲食品に溶けやすい空気中の成分(二酸化炭素・アルゴン・酸素)を溶けにくい窒素で置換する事により変質(風味変化・酸化・変色)を抑制します。
  • 酸素量を減らしカビを含む好気性菌の繁殖を抑えます。
  • ただし、酸素を必要としない嫌気性菌(食中毒菌の多く)の繁殖は抑制できません。

 

炭酸ガス置換:

比重が高く、固体や液体に浸透しやすい気体のため、飲食品の酸化・虫・細菌の抑制や、発泡飲料の製造、植物の育成に使用されています。

  • 空気中の成分(アルゴン・酸素・窒素)を置換する事により、高い酸化抑制効果を発揮します。
  • カビを含む好気性菌だけでなく、嫌気性菌(食中毒の多く)や虫類も殺傷、または抑制します。
  • エチレンガス腐敗(生花・果物・野菜など)を抑制します。

 

【ガス置換包装の課題】

ガス置換は画期的な飲食品の包装・保存方法ですが、2つの課題がありました。

  • 大掛かりな包装装置や登録が必要な大型ガスボンベの装着が必要なため、小規模な製造では導入が困難。
  • 一度開封・開栓すると空気と接触し、その後は空気保存になる

上記の課題を鑑み、小規模の製造施設やご家庭でも簡単に卓上でガス置換・充填包装やガスの再充填保存を可能とするため、国内外の企業とタイアップして開発したシステムがルンゴシリーズです。

 

【抗酸化セラーサーバーヴィノルンゴや抗酸化システムルンゴプロの原理】

 

 

【抗酸化セラーサーバーヴィノルンゴ】

大型ガスボンベ不要のコンパクトなボディ(100v/ 23.5 x 35 x 52cm/19㎏ )で1台3役:①セラー、②サーバー、③抗酸化ガス置換。

セラーから出して開栓した2本のボトルを抗酸化ガス置換をして適温・静置で保存し約60日新鮮に保ちます。

ワンプッシュで”設定量”を”適温”、”空気を巻き込み美味しく”、”綺麗に”、”短時間”で注ぎます。

窒素ガスまたは炭酸ガスカートリッジのどちらかを装置内部に装着します。

*取り付けたガスカートリッジは使い切るまで交換できません。

 

【抗酸化システム ルンゴプロ】

開栓した飲料ボトル、開封した食品容器の空間部分500mlに対してルンゴガスを0.3~0.5秒(ワンプッシュ噴射)するだけで、

空間が1ℓある場合は2プッシュしてください。

ルンゴN2(高純度窒素ガス)

  • 風味を維持しながら、酸化、変色、カビを含む好気性菌を抑制

ルンゴCO2(高純度炭酸ガス):

  • 酸化を抑制、カビを含む好気静菌/嫌気性菌(食中毒の多くは嫌気性菌)/害虫を殺傷又は抑制
  • 植物・果物・野菜のエチレンガス腐敗を抑制

【ボトル内の酸素欠乏状態の維持試験結果】

ボトルに抗酸化ガスを噴射後、キャップをせずに約40分間は酸素のほとんどない状態を保てます。

ルンゴプロのボトル内へのガス噴射能力と酸素除去状態の維持試験
飲料の残ったボトル内に抗酸化ガスをワンプッシュ噴射してキャップをせず放置し、10分ごとに束ねたお香に火をつけボトル内に入れると、約40分経過後まではお香はすぐに消えてしまい酸素量が少ないことが分かります。