【装置に関して】
Q: 業務用の大きなガスボンベ(窒素・アルゴン・二酸化炭素など)は使用できますか?
A:
100g以上の高圧ガスボンベを在庫する認可が必要です。もし免許をお持ちであれば大きなガスボンベを使用することは可能です。お近くのまたはお取引のガスボンベ屋さんに連絡し、ガスに合わせたレギュレーターとガスボンベを装置のガスカートリッジ装着部(サイズは5/8x18UNF)に取り付けて貰ってください。ただし、飲料の品質維持のため、99.995%以上の高い純度(不純成分2万分の1未満)の食品用窒素ガスが理想的です。最低でも99.99%より高い純度を使用してください。純度が低ければ十分に酸化を抑制できないだけでなく、他のガス(二酸化炭素、アルゴン、酸素など)の溶け込みによって風味が変化するリスクが高くなります。99.99%以下は工業として一般的には分類されています。飲食品のガス置換包装において、置換するガスの純度が僅か0.01%(1/10000)変わるだけで風味、色艶や酸化に大きな影響を与えます。なお窒素ガス以外のガスは固体や液体に溶けやすいため成分構成が変わるため変質リスクが高いため、必ず高純度の食品用または研究用窒素ガスを使用してください。
Q: ガスがすぐになくなる
A-1. ガスを取り付けた時、ガスメーターは10PSI以上にもかかわらず、装着してボトル3-5本でガスがなくなる場合は、ほとんどのケースでカートリッジの装着が緩く漏れている、またはカートリッジを装着するコネクター内のパッキンが傷つきガスが漏れている可能性があります。
- ガスカートリッジを締め直してください。カートリッジが少しでも回る場合は漏れていた可能性が高いです。
- ガスカートリッジの取り付け場所の奥に見える安全弁(黄色のプラスティックキャップとぶら下がるリング)がしっかりと戻っているか確認します。黄色キャップにぶら下がっているリングを引っ張り、少しガスを漏らした後、リングを放すと黄色いキャップがばねで戻ります。念のため、そのキャップを取り付け側に少し押してください。(隙間があればそれが解消されます。)
- ガスカートリッジ取り付け口からガスが漏れていないか?を音で確認する。念のため一度カートリッジを少し緩め、ガスを漏らし(音が出ます)、もう一度ガスカートリッジを装着します。(カートリッジは1度外してしまうと抜けてしまいますのでご注意ください)
- ガスパッキンはボトル交換頻度が多い場合や他の理由で傷ついてしまった場合、ガスが微量に漏れ注ぐ力が弱くなったり、充填できるボトルの数が極端に少なくなります。ガスパッキンの交換をお願いします。
Q: 注いだノズルからポタポタと液だれする?
A-1. ボトル内の内圧が上がりすぎている可能性があるため、ボトルを取り外し、再装着をしてください。
A-2. ノズル近くの電磁弁に固形化した汚れが付着して放置すると、弁が完全に閉まらず、飲料が液だれしている可能性があります。熱いお湯をボトルに入れて、注ぐことによって洗浄してください。
- ボトルを設置していない状態やボトルが空の状態で放置すると、チューブ内を上昇する湿気がなくなり、電磁弁に付着していた飲料が固形化して、弁が完全に閉じずに隙間ができることがあります。たとえば、赤ワインを飲んだグラスを洗わずに数日放置するとワインが固形化して、こびりつく状態になる事と同様です。
Q: 片側だけ注ぎが弱くなる/注げなくなる?
A-1. ガスの残量が少ない。左側面のガスメーターを確認し、5PSI以下であれば新しいガスカートリッジに交換してください。
A-2.ガスメーターが10PSI付近を指していて、注ぎボタンを押したときに「カチッ」と音は鳴ったが”注げない、注ぎが弱い”場合、何かが詰まっている可能性が高く、ボトルマークの長押し(ゆっくり5-6秒)を何度か繰り返しているうちに回復することが約90%以上です。
A-3. ガスチューブがキャップの下に出ていない?またはネジレている?
(1) シリコンキャップの下からガスノズルが出ていない
なんらかの理由(ボトルの装着時にプラスティックキャップを回したため、チューブがねじれている。または500mlなど短いボトルの装着するためキャップを下に下げ過ぎた)により、シリコンキャップの下から出ているガスノズルがシリコンキャップの中に入ってしまい、正しくガスが噴射されなくなります。
この場合は片手でシリコンキャップを握り、もう一方の手でプラスティックキャップの上部から出ているガスノズルをシリコンキャップの下まで押し下げてください。
(2) キャップの上のガスチューブのネジレ
ボトルを取り付けるキャップの上部にワインの通る流路の黒いチューブと白いガスのチューブがあり、そのガスチューブがネジレていないかを確認してください。(ボトルをはめる時にキャップを回してしまうと飲料チューブやガスノズルがねじれてしまいます)
ネジレていたら、黒いキャップを回し、ネジレをほどいてください。
A-4. バックパネルを外し、内部のガスチューブにねじれがないかを確認
- 通常ガスチューブとコネクターは上部で接合されています。取り外しの時にコネクターを回転させてしまいますとガスチューブがねじれ、注ぎが弱くなったり、注げなくなります。
A-5. ガス安全弁を少し引っ張りガスを抜く
A-6. ガスコネクターから少しガスを漏らし再装着
- 一度カートリッジを少し緩め、ガスを漏らし(音が出ます)、もう一度ガスカートリッジを装着します。(カートリッジは1度外してしまうと抜けてしまいますのでご注意ください)
上記を実施しても改善されない場合、エンジニアセンターでは添付の調整で回復させます。→片方だけ注ぎが弱いまたは注げない対処法 (202101)
【味わいに関して】
Q: 開栓した飲料が新鮮に長持ちする以外のヴィノルンゴの価値?
A:
ヴィノルンゴの最大の価値は各ワインやお酒を各ベストの状態で(適温、空気を巻き込み)、誰でも美味しく設定量をスマートにサーブできることです。ワンコイン~ハイグレードまで、グレードアップした風味をお楽しみください。
Q: 注ぎ方で風味は変わりますか?
A:
注ぐ時の温度や空気の巻き込みにより風味の立ち方は大きく変わります。ヴィノルンゴではノズルやグラスの角度により、様々な注ぎ方が可能です。美味しく注ぐための工夫をお楽しみいただければ幸いです。代表的な注ぎ方(渦巻きサーブ、スタンダードサーブ、ジェットサーブ)はホームページの映像をご参照ください(https://lungo.click)。
Q: なぜヴィノルンゴは新鮮な風味を長期間保てるのですか?
A:
- ボトルを開栓して設置してから最後まで、温度変化なく安定した低温で静かに保管する
- 飲料と接触する部分は医療用として体内で使用される特殊素材を使用しているため、異物(色素・沈澱・細菌など)の付着は極めて少なく、高い抗菌力を有し異物付着による味の変化や匂いの吸着を抑制します。
- 最高レベルの純度(99.9951%より高い)で、比重が低く(軽い)、液体に溶けにくい窒素ガスを使用していますので風味の変質から守ります。
サーバー類では容器、キャップ、チューブの汚染は非常に多く、ワインなどで絞った雑巾の香りがかすかにする場合、汚染されている可能性が極めて高いと思われます。
Q: 開栓したワインはどれぐらい風味を保てますか?
A:
ヴィノルンゴでは開栓後1週間は開栓したての風味を、細菌の混入さえなければ1カ月間は新鮮に美味しく保てます。そのため、キャップやチューブは清潔に保ち、ボトルの装着時にチューブに手が触れないようにすれば、細菌の混入リスクは限りなく抑えられ、99.995%純度の窒素ガスにより新鮮な風味を長期間保てます。
Q: ワインの澱(おり)も吸い上げますか?
A:
チューブはボトルの高さに関わらず底面についています。注ぐ方式は吸い上げではなく、窒素ガスの圧力によりボトル内の液体を押し上げて注ぐため、多くの場合で澱はその重みによりボトルの底に残ります。浮遊している結晶は手で注ぐ時と同様、グラスに注がれます。
Q: 最後にボトルに残る量は?
A:
ボトルの形状により、最終的に約5〜10mlの飲料が残ります。
ボトル内は酸素が極めて少ない状態のため好気性菌は発育しずらい状態ですが、ごく微量の酸素でも果汁などの中では少しずつ増殖します。また嫌気性菌では酸素がない状態を好みます。
Q: 洗浄せず長期間放置していたら次のワインでやや異臭を感じます。対処法はありますか?
A:
飲料と接する部分は医療や水道に使用する特殊な素材を使用しているため、汚れ、色素、細菌などは付着しにくく、また簡単な洗浄で落ちますが、臭いの分子は目に見えないナノレベルで非常に小さく、洗浄せずに長期間放置されますと洗っても残る可能性があります。異臭を感じたら、既定の日常のお手入れに加え、重曹を加えたお湯を流していただくと、臭いは消えると思います。
Q: キャリブレーション(注ぐ量のゼロ点合わせ)の頻度と設定量を注ぐ精度は?
A:
通常キャリブレーションは設置場所を変更した時に必要です。
他のガス圧式サーバーと同様に新鮮さを保つため、重量測定や定量用カップへの入れ替えによる定量はせず、ガス圧により飲料をボトルからダイレクトにグラスに注いでいます。そのためボトルの材質、装着の状態、温度、流路系の膨張・収縮によって、注がれる量に多少のバラツキ(+/-2ml)が生じます。
ヴィノルンゴでは流路系の膨張や収縮による注ぐ量の誤差を最小限に抑えるため、ガスカートリッジからバルブ、そしてボトルまで最短距離にしています。
【その他】
Q: ランニングコストは?
A:
電気代に関しては設置する環境やドアの開閉頻度によりますが、容量が6.5ℓの小型冷蔵庫のため年間1,000円以下と計算されます。
Q: アルゴンや二酸化炭素の業務用ボンベは使用できますか?
A:
よくアルゴンガスは比重が高いため液面に浮遊し酸化抑制に適しているということが都市伝説のように広まっています。実際にはアルゴンは二酸化炭素(空気より1.5倍重い)より軽いため、もし各空気成分がボトル内で重さにより層を作ることを信じたとしても、液面には二酸化炭素が浮遊します。
アルゴンガスは窒素の4倍程度、液体や固体に溶けやすく、また酸素を奪う性質があるため、酸化抑制には有用ですが、溶けて成分構成が変わり風味が変化するリスクがあります。
二酸化炭素(炭酸ガス)もアルゴンガス同様に液体に溶けやすいため、風味に影響を与えます。特に炭酸ガスは酸味や苦みを増すため、白ワイン、スパークリングやビールでは好まれるケースもありますが、使用には注意が必要です。
食品会社では食品の風味を維持しながら酸化やカビを抑制するためには、高純度の窒素ガスが使用されています。参考までに各ガスの用途を掲載します。
Q: 他のガスカートリッジは使用できますか?
A:
もし専用以外のガスカートリッジでコネクター部分のサイズがあったとしても安全性、および風味維持のためご使用はお控えください。
専用ガスは食品添加物で許可されている高純度の窒素ガスを使用しており、不純物が極めて少なく、生体安全性だけでなく、新鮮さ維持に重要な役割を果たしています。

一部のモニター様がこの原理を利用し、ヴィノルンゴに炭酸ガスカートリッジを装着し、白ワインやスパークリングワイン、またビールに使用されているそうです。
Q: 装置を使用しないで酸化を抑制する方法はありますか?
A:
酸化抑制のために様々なグッズが市販されています。
窒素・二酸化炭素スプレー(75%窒素・25%二酸化炭素)の場合はボトル内の残された空気量に合わせ噴射量を調整できるため、ワインやお酒の残量に関わらず酸化抑制の効果はかなり期待できます。
ただし、どちらも二酸化炭素による酸化抑制のため、酸化は抑制できますが、液体に溶けやすい二酸化炭素の影響が懸念されます。苦みや酸味が強くなる前に消費されることをお勧めします。
バキュームによるボトル内の空気量を減らす方法では、酸化自体は抑制できませんが、酸素も二酸化炭素の量も減るため、酸化や二酸化炭素の影響を遅らせる効果は期待されるので、装置等を使用しない方法としてはお勧めかもしれません。
(3)使用法に関して
