飲食品を守るには

  • 酸化を抑制するため ⇒ 酸素との接触を避ける。
  • カビを抑制するため ⇒ カビは1%の酸素で増殖できるため、99.9%以上の不活性ガスで酸素を置換。
  • 風味を守るには ⇒ 固体や液体に溶けにくい不活性ガスで他のガスを置換する

よくアルゴンは重くボトルに入れるとワインの液面に浮遊するため、ワインの酸化防止に良いと都市伝説ように広まっていますが、実際にはアルゴンは空気全体よりは確かに重いのですが、二酸化炭素より遥かに軽く、もしボトル内で空気中の成分が層をつくり、重さにより入れ変わるという事を信じた場合、液面には二酸化炭素が浮遊します。

その場合ボトルに入った飲料の酸化抑制には二酸化炭素が最も適していることになります。ただし、酸化は抑制できますが二酸化炭素、酸素、アルゴンは固体や液体に溶けやすいため、風味を変えてしまうリスクがあります。特に二酸化炭素は発泡性に加え酸味、苦みが増します。

アルゴンガスも固体や液体に溶けやすく(窒素ガスの4倍)、固体や液体中の酸素を奪う性質(熟成の逆)もあるため、用途には注意が必要です。

ただ、実際にはボトル内で各比重により空気の各成分が別々の層をなすことはとても考えにくいため、

酸化やカビ抑制にはボトル内の酸素濃度をどれだけ減少させるか?、

また風味を維持するためには固体や液体に溶けやすいガスをどれだけ減少させるか?

が重要と思われます。

 

各ガスの使用用途 (日本)

炭酸ガスや窒素ガスは食品や医療でも使用されています。

食品における窒素と炭酸ガスの用途

実際に食品業界では飲食品の酸化やカビ抑制には食品用窒素ガスや食品用炭酸ガスが、またオリジナルの香りを維持のためには食品用窒素ガスを充填しています。酸素ガスは肉を赤紅色に発色させるために使用されています。

代表的な食材への封入ガス利用
食品名 窒素 炭酸ガス 使用目的
(N2) (CO2)
生肉類 微生物の抑制
魚切り身 微生物の抑制
生野菜 鮮度保持、微生物の抑制
かまぼこ 細菌・カビの発育防止
削り節 酸化防止・香気保存
ハム・フランクフルト 脂肪分解・酸化の防止、微生物の抑制
ドライミルク 酸化防止
チーズ 脂肪分解・酸化の防止、微生物の抑制
油菓子 脂肪分解・酸化の防止
カステラ・スポンジケーキ カビの発育防止
ピーナッツ・アーモンド 脂肪分解・酸化の防止
ワイン 酸化防止・香気逸散防止、CO2は炭酸化しても良い場合
酸化防止・香気逸散防止、CO2は炭酸化しても良い場合
コーヒー・紅茶 香気逸散防止・CO2は酸味・苦みが増しても良い場合に有効
日本茶 香気逸散防止、ビタミン損失の防止
清涼飲料 香気逸散防止、CO2は炭酸化しても良い場合
粉末ジュース 香気逸散防止、ビタミン損失の防止