【主な空気成分の特徴】

 

【飲食品の酸化防止方法の原理比較】

【ワインの酸化防止手段の比較】
脱酸素剤:
多くの脱酸素剤の成分(鉄・ゼオライト・食塩・活性炭)はカイロと同じです。その鉄が空気中の酸素と化学反応を起こし酸化し、酸素を消費することにより食品の酸化を妨げます。鉄が酸化して飽和すると、食品の酸化は抑制できませんので、保存する食品量と脱酸素剤の量のバランス、また開封後は初期の空気量に戻るため、追加等が必要かもしれません。鉄は酸化の化学反応時に熱を発するため、温度変化が生じます。また活性炭成分により香気が吸収されるため、コーヒー豆、茶葉、ハーブ、その他風味を維持したい食品の保存には不向きと考えます。弊社ではガス置換製品と鉄や活性炭を成分とする脱酸素剤との併用はお勧めできません。

 

カーボンキャップ (炭素キャップ):  
ボトル内の空気中成分の酸素(O2)とキャップ内の炭素(C)が結合し二酸化炭素(CO2)となり液面に浮遊して、液面と酸素の接触を防ぎます。
生成される二酸化炭素の質は不明ですが、原理的にはボトル内に微量の二酸化炭素を入れることと同様と考えます。
ボトル内の空気量が少ない時点では、ある程度の酸化抑制は期待できるかもしれません。
ただし、二酸化炭素は生ビールや炭酸水製造でも示されるように液体にすぐ溶けてしまいます。(溶けやすさは、二酸化炭素>アルゴン>酸素>窒素の順)
二酸化炭素が飲料に溶けると酸味や苦みを増し風味が変わります。また溶けてしまうと、液面が酸素と接触するため酸化も進行します。
飲料の残量が少なく、空気量が多すぎると、キャップに内蔵する炭素量では十分に酸化を抑制はできないと考えられますので、短期間での消費をお勧めします。

 

バキューム:  
食品袋でのバキュームとは異なり、ボトルや食品容器内で真空を作ることは不可能です。ある程度の空気が残るため、ほんの少量の酸素でも酸化は進むため、あまり高い酸化抑制効果は期待できないと思われます。しかしながら、飲料に溶けて風味を変質させる空気成分(二酸化炭素・アルゴン・酸素)の絶対量が減るため、風味への影響は少ないと思われますので、風味が重要な飲料の短期の保存に向いていると思われます。

不活性ガス充填スプレー:


ルンゴN2 / ルンゴCO2:ルンゴガスの特徴ページをご参照ください。   

 

ガス置換用ミックススプレー (75%窒素・25%二酸化炭素):  

ボトル内の空気成分を置換して酸化抑制するスプレーです。窒素は空気中の78%を占めるガスで、風味や色を変化させない性質のため、ワインの製造時にも使用され、それにより何十年もの間、酸化せずセラーで保管されています。ミックススプレーは窒素だけでは容量が少ないため、その2.5倍の容量を有する二酸化炭素(CO2)がミックスされているのかもしれません??
ボトル内の残された空気量に合わせてガスの充填量を調整できるため、カーボンキャップとは異なり、飲料の残量に関わらず酸化抑制の効果は期待できると考えられます。ただし、酸化は抑制できますが、二酸化炭素の溶け込みによる風味への影響は回避できないため、早めに消費されることをお勧めします。

 

ガス置換用アルゴンガススプレー: 
米国ではアルゴンガスを菓子や食品の保存に古くから使用されており、空気中成分(二酸化炭素、酸素、窒素)を置換する事で酸化を抑制します。米国では比較的安価なガスです。
アルゴンガスは二酸化炭素の次に固体や液体に溶けやすく、溶けると内部の酸素を吸収します。そのため、酸化抑制効果は非常に高い反面、溶けて成分構成が変化するため、風味や色への影響が懸念されます。

 

【考察

日本の歴史ある食品会社は古くから日本人のデリケートな舌を満足させるため、食材や食品の風味を守ることに長年の研究を積み重ねてきました。そのため日本には消費期限だけではなく、賞味期限が存在します。

長年の研究の結果、風味を守りながらの酸化抑制には高純度窒素ガス、カビや細菌、エチレンガス腐敗の抑制には高純度の炭酸ガス、またその両方のバランスと取りたい場合はコンビニエンスストアのお惣菜のように高純度窒素50% vs 高純度炭酸ガス50%で包装されるようになりました。

日本のポテトチップスのさらっと感は油の酸化抑制効果が高い窒素ガスと水分や他の気体を完全に遮断するアルミ包装によって実現しました。(アメリカ産のポテトチップスとは大きく異なります)。

弊社でも様々な研究の結果、日本の食品会社に習い、風味を維持したい、また変色を抑えたい飲食品(熟成ワインやお酒、深煎り焙煎豆、松茸、削り節など)の保存には高純度の窒素ガス置換を、またカビ・食中毒菌、害虫から守りたい場合は高純度の炭酸ガスで空気を置換する事を推奨します。

脱酸素剤の成分(鉄・ゼオライト・食塩・活性炭)はカイロと同じで、酸素が食品に吸収される前に鉄が酸化し酸素を消費し、食品の酸化を防ぎます。鉄の酸化時に熱を発するため、熱を嫌う食品には不向きで、活性炭により良くも悪くも香気を吸収するため、コーヒー豆、茶葉、ハーブなどの風味を維持したい食品の保存には不向きと考えます。