屋内外にかかわらず、明るく温かい飲料や食品を販売する自動販売機の周囲には多くの害虫が集まることは容易に想像がつきます。

下記の論文の報告では、自動販売機の下ですら7日間で91の昆虫類が捕獲され、その体表から326の細菌コロニーを検出され、その内半数以上は食中毒を引き起こす病原性細菌が占めています。飲食品が密閉されていない自動販売機の内部には、より多く昆虫類や細菌が生息していると想像されます。

 

論文

飲料自動販売機の見虫類についての調査 (第1報)

飲料自動販売機下で捕獲された昆虫類およびその体表菌の夏・冬比較

安部 八洲男、八段 晃 著

大阪青山大学紀要 2009 2巻19-23, J. Osaka Aoyama University,20 09. vo.l2,19 -23.

 

本論文の要約より一部転載

今回の調査で夏,冬を問わず,飲料自販機周辺にはかなり多くの昆虫類がいることが判った。冬期は夜間に外気温度が下がるので,暖かい場所を求めてやって来る飛来昆虫のコパエ類が多く捕獲された。冬期は屋外より暖かい前室に設置されている自販機下で多くの昆虫類が捕獲された。他方, 夏期は外気温度が高くなり昆虫類の野外での活動が活発となり,走行性見虫のアリ類, ダンゴムシ,クモ類が多く捕獲された。冬期とは逆に前室の自販機より屋外の自販機で多くの昆虫類が捕獲された。これらの昆虫類は腸炎ビブリオ,大腸菌群,サルモネラ,黄色ブドウ球菌などの食中毒原因菌に汚染されていることが判った。特に夏期に捕獲したクロゴキブリ幼虫とダンゴムシの体表の汚染が大きかった。自販機周辺にいる見虫類の種類と数およびその体表の食中毒菌による汚染は,自販機が設置されている周辺環境や気温などの影響を大きく受けることが判った。

 

 

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