鉄は錆び、飲食品は腐敗し、人は老化し、臓器は壊死します。”酸化”や”細菌増殖”はすべてに共通しています。
魚や肉が細胞の酸化により水分を放出するドリップは人間の皮膚の老化ととても似ています。(皮膚細胞が酸化し水分の出し入れができなくなり、瑞々しさがなくなりしわができる。)
ワインにおいて劣化させる主な原因はお手元に届く前には、製造が起因する”ブショネ”、輸入や保管状態が起因する”温度・湿度変化”、”振動”、です。
インポーターから無事に良質のワインを入手した後は、劣化しないように保存に際して”温度・湿度変化”、”振動”、”細菌の混入と増殖”、”空気成分の溶け込みによる変質(酸化・風味変化・変色)”への注意が必要です。
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【ブショネ】
ブショネの主な原因は天然のコルクに付着した、または混入した細菌とコルク洗浄時に残された塩素の反応によって腐食している状態です。産生される2,4,6-TCAは強いカビ臭を持ち、嗅覚閾値は10ppt、ごく低濃度でも匂いを感じます。これは25mプールに2,4,6-TCAを0.005g溶かした場合に10人中9人が匂いを感じ取ることができる値です。
コルク栓の外部は過熱や酸などで殺菌されていますが、コルクの熱伝導率は低く、内部に細菌が潜んでいる可能性もあります。
また手で触ってしまうと手の雑菌が付着します。開栓後に保存する時はコルク栓を戻さず、他のキャップで栓をすることをお勧めします。
良質なワインを購入後は【温度・湿度変化】、【振動】、【細菌の混入と増殖】、【空気中成分の溶け込みによる酸化や変色を含めた変質】への注意が必要です。
【温度・湿度変化、振動】
ワインは急激な温度変化、振動、湿度変化(コルク栓の場合)を嫌います。そのため地下室などの湿度70%・温度13℃前後のセラーに静かに保存されます。
冷蔵庫は5~8℃でワイン保存には少し低めです。温度が低いことよりも、出し入れ時の室温との急激な温度変化(6℃⇔25℃)が変質のリスクです。
変化幅は小さいですが、セラーも同様に室温とは10℃度以上(13⇔25℃)の差が生じます。
折角セラーで保存しているワインは取り出した後、飲んでいる時も”適温で”、”キャップをして”、”静かに”保存して良い状態をキープしたいですね。
【細菌の混入と増殖】
細菌混入は非常に頻度の高い劣化原因です。
コルク内に残った細菌の混入- コルク栓の外部は過熱や酸などで殺菌されていますが、コルクの熱伝導率は低く、内部に細菌が潜んでいる事も少なくありません。そのため、ワインオープナーなどが突き抜けてしまうと細菌が混入してしまいます。また一度手で触ったコルクをキャップ代わりに戻すと手に付着していた雑菌が混入してしまいます。たった一個の菌でも図のように何万個、何兆個まで増殖します。糖分の多い果実飲料ではさらに増殖します。
落下細菌の混入- 室内には1㎥に数百から数千の細菌が存在し、常に数十から数百の細菌が落下しています。
ブショネではないボトルでも、開栓したボトルを放置すると、清潔な調理場ですらわずか10分で約15個程度の落下細菌がボトル内に混入します。蓋を外したお弁当箱なら10分で400個以上の落下細菌が混入します。
一つでも細菌が混入すると細胞分裂で倍々に増殖し、あっという間に食中毒の発症するレベル(10万個)まで増殖します。朝7時に作ったお弁当にたった一つの腸炎ビブリオが落下し、37℃の状態では10時には約100万個に繁殖します。
ワインに限らず、飲食品に付着した細菌の増殖を抑制するためには、低温で保つこと、そして増殖を抑制するガス(二酸化炭素・窒素)でボトル内の空気を置換する事です。
【空気中成分の溶け込み】
比重の高い空気中成分(二酸化炭素・アルゴン・酸素)は固体や液体に吸収されやすく、吸収されるとその固体や液体のオリジナルの構成成分が変化し変質が始まります。代表的な変質は酸素による酸化や二酸化炭素による酸味・発泡性の増加や退色です。
【酸化】
酸化とは、対象とする物質が電子を失う化学反応で、物質に酸素が結合、または水素を奪われる反応です。多くの場合はエネルギーを放出して、腐っていく段階と考えられます。
人・鉄・食物など、すべてにおいて酸化は腐る過程であり、食品の酸化は空気に触れた瞬間から始まり、そのスピードは速く、肉や魚を温度変化の激しい室内に放置すれば、酸化が進み腐ります。切ったリンゴはあっという間に変質・変色しますがワインも同様です。
酸化したアルコールの摂取により発癌性のアセトアルデヒドが生成されるリスクは極めて高いため、できる限り避けたいものです。ワインの酸化は色や味で見極めは比較的容易ですが、日本酒やウイスキー類の酸化の見極めは難しいので要注意です。
酸化は空気中の酸素が固体や液体に吸収され生じます。酸化を抑制するためには、できる限り酸素と触れず、低温で保管することです。
【酸素以外の空気成分(二酸化炭素・アルゴン・酸素)の溶け込みによる風味や色艶の変質】
二酸化炭素は炭素の酸化物で、気体の状態では炭酸ガス、水溶液では炭酸水、固体ではドライアイス、液体では液化二酸化炭素と呼ばれます。
二酸化炭素は主な空気中の成分の中で最も重く、固体や液体に溶け安いガスです。
固体や液体に溶けやすいガスは吸収され、本来の成分構成が変わるため、風味や色合いなど変質が生じます。
二酸化炭素の構成体積はわずか0.04%ですが、重く、風味への影響は非常に大きいガスです。それを活用している飲料が生ビールや発泡飲料です。溶け込みにより発泡性・酸味・苦み等の特徴が生まれます。
空気成分の溶け込みによる”酸化”や”風味などの変質”を最小に抑えるためには、固体や液体に最も溶けにくい高純度の窒素ガスで、他の空気成分を置換する事です。この技術は”ガス置換包装”として大掛かりな包装装置とともに多くの食品会社で導入されています。
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